歯科医師会では、手術を受ける患者様が安心して手術に臨んでもらえるよう手術前後に周術期口腔ケアを実施する診療所を紹介しています。
周術期とは
入院、麻酔、手術、回復といった、患者さんの手術前後の期間を含めた一連の期間のことです。
周術期口腔ケアとは
がんの手術入院や呼吸器、循環器疾患 、消化器疾患の手術を伴う入院の予定がある患者さん、他に放射線治療のために入院予定の患者さんへ、入院前に行う歯や歯ぐきの治療を含めた口腔ケアのことです。
全身麻酔による手術では、口から気管チューブを挿入します。口の中には非常に多くの細菌が生息しており(1gの歯垢に1億個)、気管チューブを挿入することで口の中の細菌を肺に押し込めてしまうことで肺炎や気管支炎を発症してしまいます。またチューブの挿入の際に歯に当たり、歯を折ったり、抜けたりして誤飲しまったり気管内に入ってしまう危険性があります。他には、がんによる化学療法や放射線療法、骨髄移植では口内炎が副作用として口内炎が出現します。そこで、これらの治療前にも口腔ケアを行うことで口内炎の発生頻度をおさえることができます。
口腔ケアを受け持つ診療所ではブラッシング指導だけでなく、歯石除去や動揺歯の治療も積極的に行い、口腔内を清潔に保つよう心がけています。